今年の終わりに

町長室

町民のみなさまへ

町長の顔

2011年12月20日(火)

 今年も残り少なくなりました。6月から開設した「町長室」はより多くの町民の皆様に 読んでいただきたい記事を、私自身が書き込むことで設置しました。一週間に一度程度の書き込みを心がけてきましたが思うようにはできませんでした。「忙しくて」などの理由は怒られてしまいますが、今年の終わりに書き残した事を念頭に、ペンを走らせてみますのでお許しください。

町制施行60周年を皆さんと共に!

   明治30年に高知県北光社移民団13戸45人が本町の居武士(オロムシ)地区に入植されてから115年、さらに戦後復興・復旧からまもない昭和26年に訓子府「村」から訓子府「町」へ変わって60年の歳月が流れました。
 レクリエーション公園で桜の苗木60本の記念植樹をはじめ、経済評論家・内橋克人氏を迎えての記念講演会、NHK北見放送局と共催した「上方演芸会」(来年1月14日・21日13:05 1月22日・29日9:30 ラジオ全国放送予定)、昨日は東京くんねっぷ倶楽部の久島和夫弁護士を招いて「おかえりなさい 先輩」の公開授業の開催、現在町公民館を会場に町内の写真を集めた写真展「ふるさとアルバム」を開催しています。
 年明けの1月22日には町民有志が実行委員会を組織し、訓子府町出身の松岡義和氏作・演出による舞台劇「人情北見路旅芝居がくる」が公演されます。戦後の娯楽施設として仲町にあった「訓子府座」に思いを馳せ「夢五郎一座」や「国定忠治」の舞台が演じられます。さらに昭和26年に発刊した「訓子府村史」復刻版を1,000部作成し町民の皆様へ安価で斡旋する準備を進めています。
 町制施行60周年を町民の皆様と共に訓子府町の新たなスタートにさせていただきたいと夢を膨らませております。

 

内橋克人氏の講演から「クンネップ」のアイヌ語を「訓子府」の漢字をあてた意味は?

 11月17日に経済評論家・内橋克人先生をお招きし「日本の明日を求めて~地域の生命・地域の力・地域の夢と~」と題し講演会が開催され、町内外から多くの方にお越しいただきました。
 私自身は主催者あいさつの中では「日本の明日」よりも「訓子府の明日」の講演を熱望させていただいた。東日本大震災の被災と福島原子力発電所の爆発事故など自らが体験された阪神・淡路大震災と重ねながら、「がんばろう日本」「絆」だけでいいのか、個人ではなしえない国としての責任の取り方を厳しく批判された。
 さらにTPP交渉参加の危険性、第3の開国と称する国の責任者による歴史認識、訓子府町や日本の未来への警鐘を力説された。特にTPPに対抗できる地域経済のあり方として農業・食料、教育、介護その他で循環型の地域社会をつくりあげる「フェック(FEC)自給圏」の構築について提唱されました。

 内橋克人先生から幾度もアイヌ語の「クンネプ」(「黒いところ やち川にして水黒し」の意味)に「訓子府」の漢字をあてた意味を問われ回答に苦慮し、最終的に北見の郷土史研究家・伊藤公平氏に尋ねたものの真意は不明でした。
 内橋先生は自分流の解釈として「『訓は教え諭す』『子は子どもへ』『府は地域や場所、首都』」を表している」。すなわち「先人は子どもや子ども達へ教え諭したことが生きている。生き続けてほしい」「教え育む地域、受け継ぐ地域であってほしい」の希望を「訓子府」の漢字に託したと説明されました。「なるほど」と自らに言い聞かせ「福祉や教育を大切にする町民にやさしいまちづくり」が未来からの呼びかけと思えてなりませんでした。

内橋講演